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雪城という生徒ー2
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「なんで誰も起こしてこないんだよ……」
ぶつぶつと起こしてくれなかった家族に文句を言いながら、駅から学校への道を早歩きで歩く。
今日からあの雪城とか言う生徒に話をかけてみようとか言っていたのに、その本人が遅刻をしてしまうとはなんとも情けない。
その上、俺の立場は副会長だというのに。
あー、くそ。
今日は絶対に占いは最下位だろ。
なんて遅刻に言い訳を考えてみる。
「静かだな…」
いつもは授業の十分前には学校に着くようにしているためか、登校してくる生徒の姿が全く見られない。
まぁ、これが普通なんだろうが。
…なんだか、ワクワクするな。
「いやいや、何言ってるんだ、俺」
軽く否定するように首を振る。
副会長がこんなことに興奮してしまってどうする。
俺は早歩きのスピードを上げる。
なぜ走らないのかと言われれば…まぁ、正直に言うと、しんどい。
俺はスポーツなんてやるたちじゃないし、ないというか、できないし。
だから成績上位者が選ばれるような生徒会の副会長をやらせてもらえるくらい勉強しかしていない。
……会長は何でもできるんだけど。
いや、あいつは別だ。
別の生き物だ。
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