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風紀委員ー1
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「なんだ、新庄。遅刻とは珍しい」
「すみません」
教室に着き時計を見ると一時間目の授業に約20分遅れていた。
だめだ、普通に登校していたらきっと遅刻は10分ぐらいで済んだだろうに…。
先生にもう一度謝罪をして、窓側の席へと座る。
「新庄くん、高校で初めてじゃない?遅刻」
と、隣りの席の今野さんが話しかけてきた。
彼女は一年生からのクラスメイトだ。
彼女の紹介ついでに言うと、西宮高校は3年前に共学になったばかりの元男子校で、各学年に30人も女子はいない。
そんな数少ない女子生徒である彼女とは何かと縁がある。
彼女に俺は生徒会としてよく意見を聞かせてもらったりする仲だ。
「あぁ」
と教科書を取り出しながらふと雪城を思い出す。
いったいあいつは何を求めていたんだろう。
そしてなぜあんな唐突に走ったりしたんだ。
考えれば考えるほど疑問が出てくる。
というか、そもそもなんであいつは遅刻をするんだ、あんなに何回も。
はぁ、とため息をついて教科書を開け、ノートを広げる。
すると隣から、あっという声が聞こえる。
「どうしたの、今野さん」
「あ、ごめんね、ちょっとある人を見つけて…」
「ある人?」
今野さんの方を向いて俺は首をかしげる。
「ほら、あの人」
ビッと人差し指で窓から見えるグラウンドのある一点を指差す。
「あ…」
「雪城くん!今登校したのかな」
それはさっき見た、目を奪うような美しさを持つ人だった。
外では体育の授業が行われている。
体操着でも一際目立ってるな…。
ていうか、あいつ、俺より先に学校着いてただろ。
なんで今頃授業なんだよ。
雪城の姿を見てイラっとする俺は眉間にしわを寄せる。
「え…?」
と、俺は次にあいつがとった行動に驚く。
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