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雪城を起こそうー1
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絶対に、
「わざとだろ、こいつ…」
さっきから同じ声で、同じセリフしか聞こえてこない端末の画面を睨みつけながらぼやく。
朝起こしてやると約束した次の日の朝。
昨日(無理やり)きいた携帯番号に電話を入れたのだが。
「“こちらの携帯電話は、現在、電波の届かないところにあるか、電源が入っていない…”」
…雪城は、わざと携帯電話の電源を切って出ないようにしてきた。
「あの野郎…」
ぎゅっと強く携帯を握る。
あいつはハナから起きるつもりもないらしい。
少しでも反省しているかと思ったのに、まんまと裏切られた。
…ま、まぁ、こっちから一方的にモーニングコールすることを決めちゃったんだけど。
「電話に出ないとなると…かなり厄介だな…」
ぶつぶつと話しながら制服に袖を通す。
携帯だと、電源を切られてしまう…。
なら何が効果的なんだろう。
顎に手を添えて考える。
すると急にピンときた。
「あ」
そういえば。
「確か、あいつ実家通いじゃないとか言ってたな…」
それは昨日の遅刻指導で判明したことだった。
実家通いでないとなれば、朝直接、雪城の家へ行けばいいのではないか。
きっと一人暮らしだろうし、ご両親に迷惑かけずにあいつだけを起こすことができる。
まぁ、鍵をかけてたら一瞬でアウトだけど。
「今日、風祭に雪城の家の住所を聞いておこう…」
よいしょ、とカバンを手に持つ。
「じゃ、行ってきます」
そう言って家の扉を開けて気付くのだった。
あー…、。
個人情報の漏洩とか…き、気にしない、気にしない……。
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