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雪城を起こそうー2
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「え?雪城の家の住所?」
きょとん、と首をかしげ椅子に座りながらパソコンに向けていた顔を、俺を見上げる形でこちらに向けてきた。
放課後。
俺は生徒会の仕事の前に風紀委員会室に寄ることにした。
そこではすでに風祭は一人で仕事をしていた。
「え、なになにー、お泊まりでもしに行くのー??ちゃっかり仲良くなっちゃってー…隼斗くん嫉妬しちゃーう」
「…どこだよ」
拳を顎に持ってきてぶりっ子の真似をしてちゃらけている風祭をギロリと睨む。
「はいはい、わかったよ、そう睨まないで。春ちゃんちの最寄り駅から歩いて…確か5分くらいのところ、はい、これ」
するとカタカタとパソコンに向かい、一枚地図をプリントした。
どうやら雪城の家の周辺の地図らしい。
「ここ」
俺がもらったプリントをもう一度手に取ってある一点を指で指した。
あれ、そこって…。
「俺んちから、10分もかかんないんだな」
「みたいだね〜」
地図を見ると、俺んちの最寄り駅から反対方向に雪城の家…っていうか、マンションがあった。
これなら、朝ほんの少し早く起きるだけで大丈夫そうだ。
「で、本当に何するの?住所なんかきいて」
俺にプリントを返して元のパソコンに視線を戻し、再びキーを叩く音が響く。
月末が近づいているから、統計やら何やらまとめないといけないのだろう。
「雪城、携帯わざと電源切るんだよ。だから今朝起こせなかったし…」
「あらあら〜。んー、でも、今日は雪城、来てなかったよ、学校」
「え?」
「欠席みたいね」
来てないのか。
なんだか心配で胸がぎゅっとなった。
この前まで知らなかった奴なのに。
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