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プレイボーイー1
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「お前、ちゃんと仕事しろよ」
放課後、帰ろうとする、クラスメート、そして生徒会役員である長身の男に声をかけた。
くるっと顔だけこちらに向けると、ふわっとグレープフルーツのような香りが漂った。
「えー、面倒くさいよ〜」
「面倒くさいのはみんな同じだ」
ガシッと逃げないようにそいつのシャツを掴む。
「女の子と約束あるんだってー」
だから今日は許して〜、と手を合わせ俺に懇願してくる長身男。
「お前、昨日もだっただろ。一度くらい生徒会の仕事をしろ」
こいつ、風祭は俺と同じ生徒会役員に選ばれた成績優秀者だ。
とにかく、こいつはプレイボーイ。
それに尽きる。
この高校では、生徒会役員には、合格発表の日に個別に教師たちから知らされることになっている。
が、この高校に俺たちが入学し一週間たつが、こいつはせっかく選ばれた役員の仕事をしようとしない。
毎日、女と遊んでいる。
「いつ来るんだよ……」
「ん〜、明日?」
「………」
昨日と同じ解答が返ってきてため息が出る。
馬鹿ではないのだから、こういうガッカリするようなことはして欲しくないのだが、と俺は憐れむ目で風祭を見つめる。
そんな俺をキョトンと不思議そうに見る。
「もういい、お前は今日は生徒会の仕事をしろ」
「は?いや、俺、女の子と約束がーーーー!?」
と言いかけようとしたところに、握っていたシャツをぐっと引っ張る。
突然だった為か、風祭はバランスを崩し、抵抗が出来ず俺に引きずられながら生徒会室へと連れて行かれることになった。
こうでもしないと、こいつはいつまで経っても来ないだろう。
ずんずんと足音を立てながら生徒会室へと向かった。
初めこそスムーズに進んだが、運動のできない俺は生徒会室の前に来ると息が絶え絶えとしていた。
つ、疲れた…。
ちらりと風祭を見ると、ニコニコと微笑みながらこちらを見ていた。
……絶対馬鹿にしてやがる…。
運動部だからって、運動音痴の俺を馬鹿にしている。
「……ッチ」
「えっ…?…いった!??」
なんだか無性に腹立って頭を拳でゴチンと殴った。
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