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プレイボーイー2
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そんな相性の悪かった俺らの仲が良くなりだしたのは、他校との交流について出払われた時だった。
「え、風祭とですか?」
「あぁ、来年のための引き継ぎしとかなきゃだからなー」
前会長は俺ら二人に、重要な他校との交流についての話を取り付けてくるという任務を課した。
それが確か7月頃だった。
こうやって役員たちに会長が引き継ぎのために仕事を任せることは、伝統として何代にもわたって行われていることだった。
「お前ら仲良くねぇけど、仕事やらせたら完璧なんだよ、二人とも」
「それはどうも…」
「だからさ、お前ら二人協力し合ったらぜってぇいい仕事するよ」
にっと悪戯っ子のように笑う前会長。
「はぁ」
全く上手くいくところが想像できない俺は曖昧にしか返事が出来なかった。
そうして仕事を任され、俺たちが他校へ行かなければならないという日。
風祭はまたも女と遊びに行こうとして、帰り支度を席でしていた。
「だから、あれほど今日が大事な日だと何回も言っただろ!?」
「うるさいなぁ、新庄クン仕事バリバリできるんだから一人でも大丈夫でしょ?」
「お前な…」
行く気など全く感じられないその態度に腹が立つ。
「まじでいい加減にしろよ!」
バン、と風祭の机に手を置く。
それには目の前に座っている風祭も驚いたようで。
「お前な、役員じゃないのか?なら、任された仕事しろよ!」
「好きで選ばれたんじゃないよ」
「そうだ。けどな、お前は他人からの期待、裏切るのかよ?」
「……」
「お前はやればできる奴だ。なのにこうやって仕事しないから、みんなからの信頼が失われてるんだぞ」
できる奴なのに、
評価されないなんて悔しすぎる。
こいつだって無理やりだけど、仕事やらせたら完璧にこなすってことくらい見てきた俺には分かる。
それを他の奴に見てもらいたい。
純粋に。
「お前はできる奴なんだってことを、それをみんなが知らないなんて悔しい」
「なにそれ…」
「は?」
「なんだよー…それ〜」
と風祭はふいっとそっぽを向いた。
だが、隠しきれなかった耳だけが真っ赤になって彼の気持ちを代弁していた。
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