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欠席<side 雪城>ー1
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「あれ、今日早えな雪城」
教室に着くやいなや、俺にそう声をかけてきた前の席の奴。
なんだそれ。
普通だっての、…これが。
いや、俺にとっちゃ普通じゃないけど。
「あー、うん」
「何、今日はなんかあんの?」
槍でも降るんじゃね?とゲラゲラ笑うクラスメート。
あぁ、うるさ。
しょうもない、小学生か、お前ら。
視界から消し去りたくて一瞬目を閉じる。
「あ、そうだ!雪城、昨日のノート!ほいよ」
「さんきゅー」
いつものように、どさっと俺の机に置かれたノートのコピーを机にしまう。
さすがに遅刻と1日休みじゃ量が違うか…。
はぁ、と目の前のそれを写さなければならないと思うとため息がでた。
そして鞄を下ろし、コートを脱ぎ、机に突っ伏す。
「え、寝んのかよ、お前」
「ん、」
そう言って俺は鞄を弄った。
そしてヘッドホンを取り出し、邪魔な音を掻き消す。
そして再び机に突っ伏した。
そして授業前になるとクラスメートに起こしてもらい、ヘッドホンを外し再び眠ることにした。
先生もいつも通りだと思ったのか、何も言ってこなかった。
ふわふわとした中で考えたのは、あの副会長のことだった。
朝着信がかかってくるのが鬱陶しいと思った俺は昨日も今日も携帯の電源を切っていた。
昨日は電源を入れると、7件も副会長から着信があった。
が、今日は一件もなかったのだ。
あいつ、やってることに対して諦めとか限界感じるの早いな…。
そんなんで俺が遅刻無くそうとか思うわけ無いじゃん。
舐めてんの、ほんと。
そういう嘘とか、約束守んない奴、心底嫌いだ。
「……ッチ」
考えれば考えるほど頭にくる。
もう考えないでおこう。
俺は再び深く沈んでいった。
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