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好きだったー1
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「春くん!おはよー!」
「よぉ、マキ」
ゆっくりと小学校の前にある坂道を登っていたら背後から毎日聞く声が聞こえた。
誰だなんて、振り向かなくてもわかる。
「ん、今日も寒いね」
なんて言って俺と並び、こちらを覗き込みながらにっこり笑う無邪気なマキに俺も微笑み返す。
大きな瞳。
ほんのりピンクの頬。
薄くて赤い唇。
さらさらの黒髪。
白い肌。
俺よりも小さくて、小柄で、華奢で、同級生の女子よりも女子っぽくて可愛く見えた。
て、いうか、可愛い。
まぁ、周りの奴らはみんな言ってるし、今に限ったことではない。
「ねね、春くん、今日もスイミングスクールくる?」
「おお、行くぜ。大会近いし、行かないとやばいからなー」
俺とマキは小学一年生の時に出会って、一緒にスイミングスクールへと入った。
今では大会に出られるようにもなって、更に俺たちは水泳の練習に打ち込むようになった。
「そうだねー!」
「おう。てか、そういや喘息どうなんだよ?最近は」
マキが水泳を始めたきっかけは、小さい時から患っている喘息。
水泳は喘息にいいと言われているし、他の運動ができない分、いい運動になる。
「もうね、なんともないんだ!めちゃくちゃ楽だよ」
とても嬉しそうにキラキラした目で語るマキ。
水泳を始めた頃はまだまだ喘息が良くならなくて、たびたび学校を休んだり、遅刻してきたりしていた。
が、今では本当になんともないらしい。
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