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好きだったー4
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「なんだよ、あからさまに不機嫌じゃねぇかよ」
「なんでもないってば!」
マキの機嫌はその日の放課後になっても悪いままだった。
俺、なんかしたっけ?
確か機嫌悪くなったのって、クラスの奴と話してからだよな…?
「なぁ、俺、なんか悪いことした?」
「自分で考えればっ」
「…わかんないから聞いてるんだけど…」
少し大きな黒いランドセルを揺らしながら、スタスタと俺の前を歩いて行く。
だが、身長が俺より低いからか歩幅が狭くすぐに俺に追いつかれてしまう。
マキは追いつかれるたびに振り返っては悔しそうに唇を噛み、また歩く速度を速めた。
はぁ、と溜息が漏れる。
そんなことを繰り返しているうちにいつも俺とマキが別れる分岐点まで来てしまった。
「……」
いつもならマキが先に大きな声でバイバイと言うのだが、今日はそれも無く、そのまま自宅への道を進んでいく。
「あ、おい…」
と、俺は引き止める声を上げたが、マキは聞く耳を持たず、走り去っていった。
「なんだよ…あいつ…」
結局あいつが何に怒っているのかわからず、俺は首を傾げながら帰ることになった。
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