アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
口悪男ー2
-
ピンポーン、と軽快な音がインターホンから聞こえる。
そして、俺はあぁ、しまった、と思った。
そういえば俺は何を話すか具体的に考えていなかったのだ。
学校に来い、ということではあるが、そもそも彼がなぜ学校に来ていないのかということも聞かなくてはならない。
だが、雪城のことだ、簡単には言ってくれないだろう。
だから、事前に考えておくべきだったのだ。
はぁ、と軽くため息をつくとかすかに部屋の中から足音がこちらに向かっているのが聞こえた。
さっきよりも心臓の音が激しくなる。
肩に力が入って、拳をぎゅっと握る。
「…はい」
と。
ーーーー俯いていた俺の頭上から聞こえてきたのは、最近までずっと聞いていたあのなんとも言えぬ雪のような声ではなく、何処と無く誰かに似た力強い低い声だった。
「へ?」
驚いた俺は恐る恐る顔を上げる。
「え、あ…」
「なに」
俺が頭の中で想像していた彼の姿は目の前にはなく、代わりにいたのは御子柴のそっくりさんだった。
「ま、間違えました…」
「は?」
「す、すみません…雪城くんのご自宅じゃないですよね」
俺はあまりの驚きに声が震え、言葉を噛みまくる。
どうしよう。
なんか色々頭がごちゃごちゃしだした。
まず、この目の前の人誰……?
ちらりと、高身長の目の前の人を見上げる。
いや、確実に見た目御子柴なんだけど。
「雪城?」
「………」
声までそっくりだ。
が、確実に違う点を今見つけてしまった。
それは今俺が御子柴もどきの顔から視線を落としたときに見えたソレ。
御子柴より少し色の白い肌に、黒い龍が、首筋に描かれているのが見えた。
あんなもの、御子柴はつけてない…い、い、刺青なんか彫ってない……。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
92 / 334