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兄貴ー2
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だが確かに昔、御子柴は兄がいるとか言っていた気がする。
「何もない」
そう言って俺は自分の机に腰を下ろした。
「ふ、副会長…」
「ん?」
と、溜まっていた資料を広げていると役員に声をかけられた。
「あの、雪城さんは…」
「あ、えぇと……」
あげた視線を、気まずくなって役員から視線をそらす。
そういや、昨日は雪城がどこにいるかもわからなかった。
あの御子柴の兄弟の家が雪城の家じゃないならどこにあいつはいるんだろう。
「すまない、ちょっと俺もわからなくて」
「そうですか…風紀委員からの資料頂いてるんですけど、全然登校してる様子がなくて…」
役員は資料に目を通しながら言う。
「そうか…雪城の件は俺が持つから、お前は自分の仕事に取り掛かってくれ」
「はい。わかりました」
ぺこ、と頭を下げて持ち場へと戻る役員。
雪城はどうすべきか。
ふと解決策の道のりが浮かんだが、それは俺が今避けている道を通らなければならない道だった。
ーーー風紀委員会。
避けられても、避けてもいずれは必ず通らなくてはならない。
副会長としても、新庄春樹としても。
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