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遠くー3
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「ただいま」
「お邪魔しまーす」
俺と風祭は学校から出た後、俺の家で話すことにした。
「あら、久しぶり!隼人くん!」
「お久しぶりです、春ちゃんママ」
風祭が声を出すと、リビングの方から母さんがスリッパをパタパタ鳴らしながら出てきた。
うっとりした顔で頬を手で包みながら、俺たちを出迎える。
以前まで(風祭とごたごたする前)風祭はよく俺の家に入り浸っていて晩御飯を食べて帰ったり、そのまま泊まったりしていたから母さんも息子同様に彼を甘やかしていた。
真冬も風祭と勉強の話をしてたりして、俺の家では風祭は家族みたいなもんだ。
「ゆっくりしていってね〜」
「はい」
そう言って母さんはリビングに戻り、俺は自分の部屋へと風祭を迎えた。
「で?俺に用事って何だ?」
「あ、うん。えーと…」
ログの上に机を挟んで座りながら、風祭を伺う。
しかし一向に話を切り出す姿勢がなく、ただ言葉を濁すだけ。
「……なんだよ…」
「春ちゃん、軽蔑しないって約束してくれる?」
「内容による」
「そこは約束してほしいな!?」
更にこんなことまで言いだすから、ますます言いづらいことなのかと思ってしまう。
「…はぁ、もういいや」
「そうだ、諦めろ。お前の扱いが変わることなんて一生ねぇよ」
「いや、そこじゃないんだけど」
はは、と風祭が笑いをこぼす。
少し表情が柔らかくなっただろうか。
風祭が大きく一つ息を吐いて口を開いた。
「俺、好きな人が出来た」
「…は?」
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