アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
出会ッタ存在。
-
川のせせらぎが聞こえる。
これが三途の川とかいうやつなんだろうか。
とても綺麗な音だ。
このまま沈み込んでしまっても惜しくないかもしれないな・・・。
「・・・」
瞼(まぶた)を持ち上げる。
くらりとした。
青がまだうっすらぼやけた俺の世界を貫いてくる。
赤がふわりと舞った。
「・・・っ」
体を持ち上げると、こめかみ辺りにチクリとした痛みが走る。
顔をしかめることでまあ乗り切れる、その程度の痛み。
何があって、どうなっている?
段々と視界がはっきりとしてくる。
三途の川にしては綺麗なところじゃないか。
いや、三途の川がどんな感じかとか知らないけど。
イメージ画像を見る限り、暗い世界観だった気がするんだけど。
明らかにナンタラ百景みたいなのに選ばれそうな綺麗さだぞ?
もしかしたらあの世の行政が死人受け入れのイメージを良くするために頑張っているのかもしれない。
「・・・どこだ、ここ」
ハイスピードで茶番を(一人で。脳内で。)
繰り広げながら(誰にも迷惑かけてないから許して欲しい)
体を少し動かすと、自分の下からからりという音が聞こえてきて、自分が石の上・・・というか川原(かわら)にいることを知った。
「・・・」
川原。
さっきまで俺は紅葉の絨毯の上に崩れ落ちていたはずだ。
それがなんでこんなに急に硬さを得ているんだ。
状況が呑み込めず俺はあちらこちらに視線を巡らせる。
状況を理解するための情報が欲しいところだ。
「・・・ん?」
バチリと止まった視線。
川の中に人がいる・・・?
腰くらいまでその人は水に浸かっているらしい。
まだ暖かいとはいえ秋なのにすげえな。
っていうか結構深いな・・・!?
川は川でも川淵らしい。
いや、それより・・・。
俺は川岸に近寄って目を凝らした。
何となく隠れてしまうのは絶対みんなそうなるだろうからこの際スルーの方向で。
隠れずに突っ込めるアナタは勇者かサイコパスです。(断言)
川の中のその人は白いきれいな肌に、細くしなやかな四肢、綺麗な長い黒髪を持っていて
「・・・何だよ、川でお色気シーンとかふざけんな・・・」
俺は目を細めてしまっていた・・・。
感覚的には人魚物語とか天女伝説とかにバッタリ出くわした感じ。
ドキドキというかワクワクというか・・・。
見つかったら色々終わりそうなドキドキもセットなハッピー寄りのアンハッピーセット。
その黒髪の人は左肩に水を這わせながらそれを見るように顔を向けた。
「・・・美人」
美人、としか言いようのない容姿だった。
あとは麗しいとかそんな感じ。
横顔であの美人さなら、正面から見たら・・・。
壊れたエスカレーター現象っていうのがある。
それを知らない俺ではない。
元々は止まっているエスカレーターに乗ろうとするとバランスを崩してしまうようなことだけど、
それの応用というか亜種みたいなもので、
後ろ姿のイメージで憧れを抱いた挙句、正面から見て勝手にガッカリするというとっても人間的なあの現象もそれに含まれるわけだ。
これは壊れたエスカレーター現象になるかもしれない。
そう分かっていても勝手な期待を止められない。
だってオトコノコだもん・・・!!(男性に対する誤解を産みかねない発言)
ドク・・・
ドク・・・
ドク・・・
心臓が時間を刻む。
その音で気付かれるんじゃねえかってくらいに。
「・・・っ」
俺は目をさらに細めた・・・!
するとその人がこちらに体を向けた・・・!!
細くしなやかな体。
程よくついた筋肉。
平らな胸板!!!
俺は鼻血を発射させるために蓄えた力をつかって、思いっきりズッコケた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
2 / 68