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希望ノ崩壊。
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「グルウウウァアアアグアアッ!!!」
「ギェイヤアアォオオオオオオォッ!!!!!」
赤と白が激しくぶつかり合う。
木々がざわめき、紅葉が舞い、金棒を投げ捨てた赤鬼がバカデカい炎のような赤い腕で美人・・・もとい狐を襲い続ける。
狐も負けじと、素早い斬撃を繰り広げる。
もちろん獣である狐の手には刀なんて握れない。
爪や牙を用いた戦闘の合間に、背後から刀がぶっ飛んでくるのだ。
まるでワイヤーに引っ張られるみたいに。
凄まじい勢いで。
何が何だかわからない。
夢を見てるみたいだ。
その時だった。
赤鬼が一つ、凄まじい咆哮を上げ、刹那、その巨大な手で狐をつかんだ。
「あッ!!」
「ギィエエエアアアアアッッ!!!」
声を上げた時には既に狐は鬼の手中。
赤鬼が金属音にも似た吼え(ほえ)声を上げ、その手に力を籠め(こめ)始める。
先から狐の頭が覗いている。
「グルァアアッ!!」
吼えながらその手をどんどん握りしめていく。
狐を握りつぶしていく。
狐が暴れても吠えても、それは何にもならなかった。
ギチギチと変な音を立てて、まるで人形みたいにその手の中で体がバキバキと音を立てて壊れていく。
メリメリ・・・ミシミシ・・・バキッ!!
「!!?」
骨が砕けた音がした。
途端に狐はクタリとなって動かなくなった。
「オオオオオオオオオオオオッッ!!!!」
赤鬼が勝鬨(かちどき)を上げる。
「え・・・何、何が・・・」
ドサリ。
狐が地面に叩きつけられた。
白い美しい毛が血で真っ赤に染まっている。
「・・・え?」
どういうことだよ、オイ。
どうして、・・・え?
「・・・死んだ・・・?」
力が入らない。
動けない。
頭の中がグルグル回る。
酔いそうなくらいに。
死んだってか?
そんなのって・・・。
その時。
赤鬼が大きく足を持ち上げた。
止めを。
ああ。
「・・・めろ」
「グウウアアアアア!!!」
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