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こちら真琴企画室☆リク『デート②』
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とうとうこの日が来たぞ!
俺は何度も鏡で確認して、服もオシャレに気を使った。
俺が家を出ると、丁度ハルも階段を下りてきた。
「おはよ、ハル」
「オハヨ」
ハルが俺の隣に並ぶと、二人で歩き出した。
電車に乗って大きな街へと出る。
普段行くことのない街だから、ちょっと興奮する。
電車の中で隣同士座って、何気ない話をしながら揺られている。
途中止まった駅で、どんどん人が増えていく。
俺達の住む田舎町とは違うなぁ。
目の前に座ったカップルなんて、オシャレだし…。
ベタベタとくっついて~。
仲がいいんだなぁ…羨ましい。
ん?
えっ、もしかして…。
俺はチラリと隣に座るハルを見た。
ぽやっと前を見ている。
カワイイ…。じゃなくって!
これって、考えようによっては俺とハルのデートじゃないのか?
そうだよ。何で気がつかなかったんだ俺は~!
せっかくのチャンスだ。
今日はハルが喜ぶ顔を見るために、ベストを尽くす。
そして、少しでも俺を意識してくれるようにするんだ。
頑張れ俺!
心に渇を入れた俺は、ハルを人混みから庇いながら駅へ降り立った。
押されるので、自然とハルに覆い被さる形で密着してしまう。
ドキドキドキ
ヤバイ!これヤバイってば。
ハルの匂いがする。
さすがにサバの匂いはしないけどね…w
「ハル大丈夫だった?凄い人だったね」
心配して声をかけながらさりげなく肩を抱いてみた。
「ん。大丈夫だ」
ハルは頷いて、俺の顔を見上げた。
ドキッ
切れ長の涼やかな瞳に俺が写されている。
長い睫毛が色気を醸し出していた。
「あっ、じゃ、じゃぁ行こうか!」
心臓が半端なく高鳴り、俺は赤くなる顔を誤魔化すようにハルを促した。
人をエスコートするなんて経験は無かったけど、ハルになら自然と手が延びる。
大切な人になら皆こうなるんだろうな。
すると、ハルが俺に訝しげに視線を投げてくる。
「な、何?」
まさか俺の邪な考えを見透かされた?
「肩…歩きにくい」
「わあっ!そうだよね、ごめんねハル」
残念~。
もう少しこうして居たかったけど…仕方ないよね。
ハルの肩から腕を外して、それでもしっかり側にくっついて、駅構内を後にした。
「わぁ~っ!やっぱり大きい街は違うね」
高いビルが沢山建っていて、圧倒される。
隣のハルもポカンと上を見ていた。
時計を確認したけど、試写会は夕方だからまだ五時間以上ある。
「ねぇ、ハル。お昼だからご飯にしようか」
「そうだな」
ハルが頷いたのを確認して再び歩き出す。
どこに何の店があるか分からないけど、出来たらちょっとお洒落な店にして、恋人同士的な雰囲気を味わいたいなぁ。
こんなことなら凛か江ちゃんにでも聞いておけば…うぅっ。
そんなことを思っても後の祭。
なんて内心ガッカリしてたけど、人波に流され歩いているうちに若者の多いエリアに偶然にも出てきた。
しかもなんだか、飲食店も多い。
これならお洒落な店が見つかるんじゃ?
よし…!
「ハル」
振り返ると、ハルが居ない。
「あれっ?ハル!?」
首を左右に向けて目に入ってきたのは…。
「うわあぁぁ~っ、ハルー!」
店先に置いてある大きなデコレーション水槽に、突き進むハルの後ろ姿。
しかもシャツの裾に手が…!
脱ぐのも水槽に入るのもナシー!
もちろん寸でのところで押し留めました。
ハル…やっぱり人の目よりも水なんだね。
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