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こちら真琴企画室☆リク『デート③』
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それから俺達は、近くをぶらぶら歩いて見つけた店に入った。
なんだかオシャレで、普段は縁がない店だ。
だけど、俺はどうしてもこの店に入りたかった。
何故なら、見ている間にカップルがどんどんと入っていくから、これならハズレなしの店に違いないから。
この店に入れば、俺とハルもいい雰囲気になれるんでは…?
店内は流石に込み合っていた。
昼時だから仕方無い。
入り口から見ただけでも、白を基調にした女子に人気のあると分かる店内。
さっそく順番待ちの為に、名前を記入する。
(た、ち、ば、な…)
ん?待てよ。
橘と記入したら、まるで二人が橘みたいだな。それって、夫婦ってことじゃないか。
うん。なんか、最高にいい!
勝手に妄想を膨らませていると、裾を引っ張られる。
「おい、真琴。何ニヤついてるんだ」
「えっ!?俺、ニヤついてるっ?」
慌てて頬を押さえるけど、ハルには白い目を向けられた。
…気をつけよう。俺はキリッと表情を引き締めた。
どうでもいいけど、周りは殆どカップルと女子グループばかりで、俺達みたいに男同士は居なかった。
そのせいか、やたらと視線を受ける羽目になった。
俺はいいけど、ハルを見ないでほしいな。
ハルはカッコいいし、キレイだし、カワイイし。
ライバルが出てこられても困る!
なんて思っていたら一気に順番が巡ってきて、俺達は席に案内された。
席に着いてからも視線を感じていたけど、気にしないことにする。
「ハル。何にする?サバは無いけど…」
メニューを開いて、ハルに見せた。
サバが無いからガッカリしていたハルだけど、色々なメニューに目を輝かせていた。
結局、俺はパスタでハルはオムライス。プラスでピザを頼む。
「ハル、これも食べてみる?」
「ん…食べる」
俺がパスタを小皿にとってあげると、ハルは美味しそうに食べる。
あぁ…!ハルってば、なんてカワイイんだろう。
食べてる姿さえも魅力的に見えるんだから、俺も重症だよな。
ハルが喜んでいる顔を見るのが好きで(他の人には無表情に近いだろうけど)つい構いすぎたりするんだよね。
だから結局、パスタの半分くらいハルにあげちゃったんだ。
俺?俺はピザがあるから大丈夫!
ハルはピザも美味しそうに頬張っていた。
満足した俺達は店を出ると、映画館の入った商業施設へと向かった。
時計を確かめると、まだ試写会まで時間があるから、少し店内を見て回ろう。
「ねぇ、ハル。どこか見たいところとかある?」
そう聞くと、ハルは俺を見つめてきた。
この表情は…。
「今日はダメだからね、ハル。水泳の事からは離れる日だって約束したんだから」
俺が出掛けにした約束を引っ張り出して、そう釘をさすとハルが少しガッカリな顔をした。
うぅっ、もしかして口煩いとか思われたかも。
水泳の事がなによりも好きなハルに、禁止令なんて酷な事かもしれない。
だけど今日だけは、水泳から離れて俺とのデ、デデ、デート…ごほんごほんっ。
…を楽しんで欲しいから。
俺の提案でゲームセンターに行くことにした。
そこなら映画と同じフロアにあるから移動も容易く、時間潰しには持ってこいだ。
「なら行くか」
ハルはそう言って、ひとつ頷いた。
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