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イベント記念 『岩鳶・鮫柄 合同ランチ③』
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メニューを真琴が差し出すと、遙が身を寄せてくる。
サラリと艶のある黒髪が揺れた。
昔から近くで触れあってきて、この距離に今更だが、どうしてもドキドキしてしまうのは仕方ない。
恋をしたら人間やっぱり些細な事でも嬉しいんだなぁ…と自身の心の機微にフムフムと考えを及ばしていると、遙が顔を上げてきた。
「真琴」
「わあっ!な、何!?」
不意に声を掛けられて驚きに顔をのけ反らせた。
遙がジッとこちらを見る。
潤んだ瞳が近くで自分を見つめているのだから何とも言えず…ゴクリと唾を呑んだ。
「…決まった。真琴…オマエは決めたのか?」
言われてハタと気がつく。
遙の事ばかりに意識が向いていて、全く考えていなかった。
「そうだった、ゴメン!」
「…」
真琴がひとりアタフタするのを遙は内心首を傾げながら見ていた。
「まこちゃん、決まった~?」
「うん。俺はこれにするよ」
「了解~!」
ピンポーン
漸く真琴が決めると、渚が素早く呼び鈴を鳴らした。
「あ!」
「…」
それを見て思わず小さな声を上げてしまう。
それから隣の遙を見た。
真琴になら分かる。
今、遙は残念がっていると!
何故なら遙は毎回呼び鈴を押すことを楽しみにしていて、いつも押した後は表情が輝いて(真琴には分かるが一般人では分からない変化だが)ルンルンな可愛い様子になるのだった。
明らかに悄気ている。
そんな隣では愛一郎が未だに悩んでいた。
「ニトリンせんぱーい!まだでスか~!?オレ、腹減って死にそーですよォォォォッ!!」
「ゴ、ゴメンねっ」
百太郎に叫ばれて慌てる愛一郎と、他人の振りをしたくなる凛と宗介なのだった。
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