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打ち合わせを終えて、淡島が帰っていったあとに、私は机に向かってペンを進めた。
手書きで原稿を書き上げるのが、私の好み。データと違って簡単には消えることがない。書いた量が積み重なって、厚みが分かるのが、なんとなく好きだ。
「……」
書きたい内容はある。手を進めようとペンを握る。
それなのに、手が動かない。動かせない。
気分が進まなくて、ペンを置いて椅子から立ち上がる。
気分を変えよう、と思いキッチンでコーヒーを一杯飲んでから、また椅子についたが、やはりまったく手が動かない。
椅子から立ったり、窓を開けて外を見てみたり、少しだけ近所を歩いてみたり、テレビを点けてみたり。色々なことを繰り返してみたが、全く手が進まない。
ため息が漏れた。
なんで、進まない。気分がおかしい。
書きたいのに、書けなくて。
こんなこと、無かったのに。
苛々してくる。
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