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視界に映る血は、私にしか黒い液体にしか見えない。
血は赤だ。赤い。
でも、目にするその液体は黒。水と混じれば少しだけ薄くなったように見える。
着々と、私自身がおかしくなっていっている。
感覚が、ズレていっている。
腕から流れる黒い液体に口をつけて、舐め上げれば、鉄の味が確かに脳へと伝えられていった。
こんなことをしても、死ぬことなどない。傷に傷を重ね続けて血を流し続けて、失血で死んでしまおうか。
そうすれば、楽になれるだろうか。
「……やめた」
なんだか、面倒だから、今はいいや。
手にしていた鏡の破片を捨てた。
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