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手記
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学生の頃の私は、仲のいい友人もいない。ただ教室の隅で一日中本を読んでいるような生徒で、「根暗」などと呼ばれていることも知っていました。話しかけてくる人間など、ただ面白半分にからかいに来るような人間くらいしかいなかった。
もう私もとっくに二十歳を過ぎましたが、同窓会などにも呼ばれた記憶もありません。
(もしかしたら、来ているにも関わらず家の人が連絡をしてくれないのかもしれませんが)
いい思い出になるようなものはありませんでしたから、思い出話を振られても困るだけですね。
特に高校時代は、滅多に人と話すこともありませんでした。私個人としては、高校など行きたくもありませんでした。あの家から早く出ていきたいと思っていました。
しかし、母は世間体を気にして少しでも良い高校にと、私の意思を無視してまでも、入らせました。初めの半年ほどはただ嫌々勉強をしていただけでしたが、夏休みが終わった頃、彼に一目惚れをしたのです。
この事に関しては、高校に通っていてよかったとも思います。
彼が卒業するまでの間は、遠くから眺めているだけで幸せでした。
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