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数十分後、いつもの流動食が看護士によって薬と一緒に運ばれてきた。食欲なと全くない。それを見ているだけでも、吐きそうになる。
スプーンを握り、器の中を軽くかき混ぜて、出された薬の1食分を口に入れることなくゴミ箱に捨てた。混ぜたのは、食べてないのをごまかすだけのため。
少し経って、看護士が食器を片付けにきた。食べてないことには、気がついてないようだ。
「またいつもの時間に来ますね」
熱なんて下がらなくてもいい。
そう考える自分がいる。
「……まだ下がってませんね」
寝ていたわけではないが目を閉じていた、いつの間にか看護士が来て熱を測れば、下がるどころか上がっていた。
「……点滴しましょうか」
「……」
利き手ではない左手の甲に、医療用のネットで付けられたままの点滴の針が刺さっていて、チューブが繋がっている。看護士が持ってきた点滴の袋に繋げられる。
「二時間位したら、また来ますね」
ぽたり、ぽたり、と点滴が中で滴を打っている。それを眺めていると、時間を忘れられるような気がした。
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