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父さんと今までにないくらい、たくさんのことを話した。
まるで、今までの空白を埋めていくかのようだった。幸せと感じることができた。
父さんは、またすぐに海外に戻るらしい。たまにはゆっくりすればいいのに、と言えば、父さんは笑いながら、遣り甲斐があって楽しいと言った。
どれくらい話をしたのかよく分からないが、気づけば夕方で父さんは帰っていった。人と話すのはあまり好きではなかったけど、今日は楽しいと思えた。
《おはようございます》
翌日の朝。なんとなく付けたTVは、どのチャンネルも同じようなものばかりでばかりで、前から観ていたチャンネルを選んだ。
ニュースだけではなく、おすすめの商品の紹介をしたり、見るだけではなく参加もできるのは、飽きずに楽しむことができる。
《今週のおすすめは、東城悠十の最新作品です!!》
丁度付けたときに紹介をしていたのは、一冊の本。若いアナウンサーが本を片手に話す。
その本は、この間来た淡島に渡された自身の本。暇潰し用の本を並べる中に2冊置いてある。
《東城悠十といえば、様々なジャンルで老若男女に人気ですよね。そんな東城悠十の本、今回は手記らしいんですよ》
《へぇ、それは興味深いですね。なんでも、発売前から重版が掛かっていたとか》
《そうなんです。顔も年齢も知られていない東城悠十の半生は気になりますよね》
重版が掛かっていたのは、聞いてはいたが、TVで紹介されるとは思わなかった。しかし、注目されるのは、有難い。
そんなことを思いながらぼんやりとTVを観ていると、朝食が運ばれてきた。痛む首もとを気にしながら、からだの向きを変える。
《内容については、是非買って読んでみてください!!》
コーナーが終わり、天気予報が流れ始める。
今日は晴れらしい。
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