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あっという間に時間は過ぎて、雑誌のインタビューをされる日になっていた。
出版社までは、雅斗さんの車で送ってもらった。雅斗さんは、休日出勤らしい。
「ここでいいか?」
「うん、ありがとう」
出版社には初めて来るわけでもない。受付に声を掛ければ淡島が来るといっていた。
インタビューは初めてで、何を着ていけばいいのか分からず、雅斗さんのセンスを信じて買ってきてもらった。
車を降りて、出版社の中に入っていく。
「すいません、園宮です」
自分の名前を告げると、受付の女性は思い出したかのように手元の紙に目を向けている。
「園宮悠様ですね。淡島が来ますので、そこのソファでお待ちください」
愛想のいい笑顔を浮かべて、エレベーター横にあるソファを指した。
ソファで待っていれは、すぐにエレベーターから淡島が姿を見せる。
「先生、お待たせしました。随分と早い到着ですね」
「送ってもらったんだ」
「おや、もしかして例の彼ですか?」
「よくわかったね」
「今日はなんだか幸せそうに見えますよ」
「そう」
エレベーターに乗り、目的の階に着くと先ずは編集長に顔を出すと言う。
「編集長、先生が到着しました」
「はいはーい」
奥から出てきたのは、この間無期限執筆活動停止を伝えてきたその人。
相変わらず元気な人だと思う。
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