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翌朝7時半。スーツに身を包んだ雅斗さんは、玄関で靴を履いている。
今日から雅斗さんは仕事で。私はひとりぼっちでこの広い部屋に。
「じゃあ、いってくる」
「いってらっしゃい」
最近は目にしなかったスーツ姿のかっこいい雅斗さんに向かって、手を振りながら見送った。
でも扉が閉まっていくのを見て、寂しさを感じる。ばたん、という扉が閉まった音が妙に大きく廊下に響く。
踵を返してリビングに入ると、その広さが更に寂しくて、涙が出た。
「っ……うー……」
ソファに座り、溢れる涙を何度も拭う。こんなに、涙脆かっただろうか。
膝を抱えて、顔を埋める。
ひとりぼっち。
さみしい。
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