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side.雅斗
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午前の仕事を終えて、時計を見れば既に1時を過ぎていた。
休憩に入ると近くにいた人間に伝えて、給湯室に向かう。
携帯をポケットから出し、悠の番号を探して、発信する。
prrr prrr
何度かコールが鳴って、繋がる音がする。
『……もし、もし』
「悠? 今、大丈夫か?」
『まさとさん……』
声を聞いただけで、少しだけ肩が楽になる。あまりに悠が嬉しそうに俺の名前を呼ぶもので、少し口許がにやける。
「昼、食べたか?」
『ぇ、もう、そんな時間……?』
「あぁ、1時過ぎたぞ。仕事してたのか?」
『あ、えと……TVを、見てました……』
「……そうか、今日は無理して仕事しなくていいから。寝ててもいいからな」
『うん……わかった』
「それじゃあ」
『ぁ……うん、しごと、がんばって』
「あぁ、ありがとう」
通話を切り、コーヒーを作りながら、さっきの会話を思い出す。
結論から言うなら、TVは見てなかったと思う。悠は、何かを隠す時には敬語になる癖がある。
浮気、はないだろう。編集の担当が来るとは聞いていない。
「……」
なにか、無理してるのかな。
考えていると、給湯室の扉が開く。
「あれ、伊東、またあったな」
「斎藤か」
「携帯を持ってるところを見ると……電話したんか? 噂の彼女ちゃんに」
「……まぁ、」
「んで? 知らない男の声でもした?」
「いや、それはないが、何か隠してる……っぽい」
「うわ、あやしー」
コーヒーを飲み干して、紙コップを潰して給湯室を後にする。
「あ、おい待てよー。確認する方法思い付いたんだけど」
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