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雅斗さんは、いつもより少し遅かったけど、帰ってきた。でも、顔を合わせたくなくて、何かを言われんかも知れなくて、怖くて、夕飯をテーブルに置いて、部屋に籠った。
引っ越して初めて、別々で眠った。
朝が来て、私は朝食を作った。足音がして、雅斗さんが起きてきた。
「悠、あのさ」
「おはよう! 今日出掛けるの楽しみにしてたの!!」
不自然でもいい。
「あ、あぁ」
「何時頃出る?」
「10時位かな」
「わかった」
焼けた食パンにマーガリンを塗って、ハムとチーズ、レタスを挟んで、三角に切る。
昨日買い物にいけなくて、有るものでこれしか作れないけど。
サンドイッチと、野菜スープ。
「いただきます」
不自然でもいい。
今日が最後かもしれない。もしかしたら、今日のデートで別れを切り出されるかもしれない。
だから、今日くらいは、一生の思い出に
、一生分の幸せにして、雅斗さんから消えればいい。
これが昨日ずっとずっと、考えて考えて、出た答えだった。
雅斗さんがくれた部屋も不自然がないレベルで片付けた。
もし、雅斗さんに別れを告げられたら、迷惑かけないようにそれを受け止めて、雅斗さんから消えればいい。遠い遠い所に行って誰にも気付かれないように、この世界から消えればいい。
一生の思い出と、一生分の幸せを持てるなら、なにも悔いはないから。
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