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観覧車の中で抱きしめられて、すっかり泣き続けて、観覧車は二週目に入っていた。
本当は出ようとしたけど、係員の人がにこやかに送り出してくれた。抱き締められているのを見られて、恥ずかしがるような暇もなかった。
「雅斗さん……」
「ん? もう大丈夫か?」
「はい。ごめん、なさい……」
「謝るなよ。ほら」
雅斗さんは腕をはなして、手を繋いで隣に座った。指した先には、光の数々。
上空は夕日と夜の色で綺麗に染められている。赤と濃い青のコントラストが美しい。そして、地上はビルや車のライトでまるで星空のように輝いている。
「……きれい」
こんなに、綺麗なものを見たのは初めてかもしれない。都会だからこその美しさだと思う。
悠
景色に見とれていると名前を呼ばれ、振り返ると雅斗さんの顔がそこにあった。唇に触れる温かな彼の唇。
「ん、」
触れるだけのキスでも、久しぶりなのには代わりはなかった。
「知ってた? 観覧車の頂上でキスすると、一生一緒に居られるって言うジンクス」
「なっ……」
「これで、一生一緒に居られるよ」
にっこりと笑う顔に、見惚れた。
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