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帰宅後、雅斗さんはスーツを脱いで、ソファに座った。そして、雅斗さんの膝の上に私が。
「雅斗さん?」
「ん?」
私の首元に雅斗さんは顔を埋めて、少しくすぐったい。
「どうしたの?」
「……」
問いかけてみても、雅斗さんは黙りこんだままで、会話は続かない。
「私は雅斗さんしか見えないよ」
雅斗さん以外目に入らない。雅斗さんに何度も救われた。雅斗さんは知らないかもしれないけど、私にとっては、何度も何度も、救われたから。
「悠……」
ぎゅう、と、きつく抱き締められる。
雅斗さんに目を向ければ、その瞳と合いどちらからともなく、キスをする。互いを確かめるように、互いの気持ちを、想いを確認し合うように。
ちゅ、ちゅ、と唇を重ねて、何度か角度を変えながら唇を合わせる。
口を薄く開けると、舌がするりと侵入してくる。
「ん……ぁ、」
「ん、」
唇が離れ銀の細い糸が私と雅斗さんを繋ぐ。
雅斗さんに抱き抱えられて、寝室に運ばれていった。
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