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side.雅斗
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朝、いつもより二時間ほど遅く目が覚めた。
寝室のベットは、悠と一緒に寝るためにダブルを使っているが、最近は悠が執筆で徹夜のせいか、一人で眠っていた。
何度目が覚めても、一人で眠るベットの広さには慣れず、寂しさを感じる。
今日は休日で、特に予定もない。悠の昨日の話では、順調にいけば今日中には終わらせることができるらしい。
悠の様子を見に行こうとベットから起き上がり、スウェットのまま書斎に向かった。
扉に手をかけた時、くしょん、とくしゃみが聞こえた。
最近は朝が寒い。もしかしたら、冷えているんじゃないかと書斎に入れば、散らばっていた原稿は床から消えている。
「……終わったのか」
原稿は机の上に見つけた。そして、簡易ベットで悠を見つけるが、しっかり布団が掛かっていない。
近付けば、悠の顔が少し赤いのが分かった。心なしか、息もしずらそうにしている。
ゆっくりと、起こすことのないように差し足忍び足でベットに寄り、悠の額に手を当てれば、案の定熱い。
どうやら、熱を出したらしい。
ここでは寝ずらいだろうと、横抱きで寝室に運び布団を掛けたところで、悠が薄らと目を開けた。
「起きたか?」
「ん……」
よく状況を理解しきれていないのだろう。少し、目がきょろきょろしている。
咳は出ないようだが、頭痛がある。疲労のせいだろう。
再び眠った悠の頭を撫でれば、悠は擦り寄ってきて、その仕草が愛おしさを感じさせる。
もう、馬鹿みたいな意地を張って、手放したくはない。
そう、再確認した。
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