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7時。
玄関の鍵が開いた音に、リビングでテレビも点けずにソファに座っていた私は、びくっ、と肩を震わせた。
『お邪魔しまーす。うわ、超良い所じゃん!』
『ちょっとは静かにしたらどうだよ』
来た……
「おか、えりなさい……」
そっ、とリビングから顔を出せば、雅斗さんは笑っていて、その後ろにいる同僚? の人は私を見て固まってしまった。
「ただいま、悠」
先に靴を脱いだ雅斗さんが、私のところまで歩いてきて、私を──抱き締めた。
「まっ、雅斗さんっ!!? 」
「ん? どうしたの?」
「みっ、みみみみっみてっ」
雅斗さんの肩の向こうで、同僚の人は更に固まってる。
「気にしなくても大丈夫。悠を見たいって言うから連れてきたんだから」
「で、でもっ」
「あいつは同僚の斉藤だ。一応いいやつだから」
同僚─斉藤さん─は、見た目はどちらかと言うと、チャラ男? で遊んでいそうな雰囲気。
「斉藤、いい加減にしろ」
「あいだっ!!!」
雅斗さんは、ばしっ、といつまでも固まってる斉藤さんの頭を殴った。
「ひどいわー あ、初めまして。斉藤っていいます。よろしくね、悠ちゃん」
「宜しくしなくていいからな」
「あ、えと」
差し出された斉藤さんの手と私が握手する前に、雅斗さんが斉藤さんの手を叩き落とした。
「握手くらいさせろっつーの」
「悠、一緒に飲むか?」
「いいの?」
「あぁ、」
雅斗さんに腰に手を回されて、斉藤さんをおいてリビングに入っていく。
テーブルに並べておいた食事は、本当に簡単に作ったものばかりで、申し訳ない。
「美味しそうだなぁ」
「悠の料理だからな」
「べた褒めだなぁ」
買ってきてくれたお酒を出して、缶のまま乾杯をした。
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