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side.雅斗
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リビングに戻ると、斉藤はにやにやと笑みを浮かべていた。
「らぶらぶだねー」
ついに眠ってしまった悠を寝室のベットに寝かせてきた。
「うっせぇ」
「まさか、キスするとは思わなかったし」
ぎゃはははっ、と腹を抱えて笑うこいつにイラつく。
「でぇー? どこれ会ったん?」
「……同じ高校の後輩だよ」
「まじか!! じゃあ、もう10年かよ。いいなぁーおれも10年も付き合える恋人ほしいわぁ」
正直うざくて、仕方がない。
「探せば?」
「こういうのは、探して見つかるもんじゃねぇよ!! いいか? 運命の人っつーのはなあ、運命だからこそ、運命の人なんだよ! 必然じゃねぇんだよ!!」
「日本語可笑しくねぇか?」
酒飲んで呑まれとる斉藤は煩い。
「悠ちゃんてーなんの仕事してらん?」
「作家」
あ、言ってしまった。
酒を飲むと、どうも口が軽くなる。
「まじでぇーえ、何々、なんてーの?」
「…………」
「教えろよー」
「…………」
「Twitter……"同僚の恋人は作家な"ぐぇ」
「やめろ」
「じゃあ、教えろし」
「……それ」
「え?」
テレビ台の下に並べてある悠の本を指差せば、斉藤の顔が驚きの一色になる。
「え、は? まじ? まじで東城悠十?」
「それ以外並んでるか?」
「まじかよ!! すご、すっごっっ!!!」
「うるせぇ、」
そんなに興奮するかよ。
「サイン欲しいんだけど」
「寝てる」
「今度でいいからさぁ!! な? 俺とお前の仲じゃん」
「………………」
「無言やめろよ」
「気が向いたらな」
「よっしゃ」
数分後、斉藤は潰れた。(正確には潰した)
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