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ふ、と目を覚ませば、雅斗さんの腕のなにいることに、気がついた。少し目線をあげると、雅斗さんの寝顔が見える。
「…………」
雅斗さんはやっぱりイケメンだ。
高校のときは、いつも女子にも男子にも囲まれる人気者だった。昼休みなんかに、バスケの試合などをすれば、ギャラリーは生徒や教師まで溢れ返っていた。
毎日と言っていいくらい、雅斗さんは告白されていたらしい。きっと、教師の中にも好意を寄せていた人はいたと思う。
考えただけで、少し不安になった。きっと、会社でだって告白されてるんだろう。
雅斗さんは……。
「はーるーかー?」
「わっ」
すっかり考え込んでしまって、雅斗さんに名前を呼ばれて吃驚した。
「おはよう、悠」
「お、おはよう……」
「何考えてるんだ?」
布団にくるまって、雅斗さんの腕の中。雅斗さんはにっこりと、私に笑顔を向けてくれる。
「あ……えと、」
「ん?」
「雅斗さん格好いいから……いつも告白されてるんじゃないかなって……だから、……なんか」
「やきもち?」
「ふぇっ!?」
まさかの単語に雅斗さんを見ると、雅斗さんはにやにや、というか嬉しそうに笑っていた。
「う……そう、かな……」
「はは、ありがとー」
ぎゅうぅ、と力強く抱き締められて、何か心が満たされるような感覚になる。
「俺も、悠がどこかで告白されてるんじゃないかって、考えることあるよ。もう狂ってしまいそうになるよ」
「そんな、されたことないよ」
「本当?」
「本当」
「本当の本当?」
「本当の本当!!」
「よかった」
「……雅斗さん」
「んー?」
「愛してるよ」
昨晩、伝え忘れて眠ってしまったから伝えれば、雅斗さんはまた笑って、もっと強く抱き締めてくれた。
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