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間島先生に連れられて入ったのは、デパートの裏にある小さな食事処だった。
「じゃあ、好きなの頼んでいいですよ」
「は、はい」
メニュー表は壁に並べられ、値段も安いものばかり。
ラーメンやチャーハン、日替り定食だって置いてあった。
「じゃあ、日替り定食をひとつ」
「俺は醤油ラーメンひとつ!」
「はい、日替りと醤油ラーメンねー」
水を一口飲んで、間島先生は話始めた。
「この食事処、学生の時から通ってるんですよ。昔は毎日のように満席だったんだけどね」
「そうよそうよ、デパートが出来てねぇ」
「あぁ、おばさん」
お店のお母さんらしい。
「あら、孝広くんはまた顔のかわいい子連れてきたわね」
「ちょ、おばさんやめてよー」
かわいい子……?
首を傾げていると、間島先生が小さく笑った。
「ははっ、東城さん分かってないですね」
「えと、あの?」
「あらあらあら、よく見れば男の子じゃない」
女性に見えていたらしい。おばさんは、ごめんなさいねー、と笑って厨房に入っていった。
「すいません、おばさん悪気はないんですよ」
「あっ、いえ、大丈夫です……あと、普通に話してもらって大丈夫ですよ」
「あ、いいんですか? じゃあ、甘えさせていただこうかな」
敬語で間島先生から話しかけられるのは、すこしむず痒かった。
「お待たせしましたー、日替り定食と醤油ラーメンねー。あとおまけに、杏仁豆腐ふたつ」
「ありがとうございます……」
「あざーっす」
定食のメインは、唐揚げ。
「いただきます」
とても、美味しかったです。
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