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side.雅斗
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お茶を飲む園宮さんに、俺は口を開いた。
「──悠は、園宮さんのことを、誇りに思っていると思いますよ」
悠と同棲を始めてから気づいたが、悠はよく園宮さんのことを調べていた。
それに、部屋には必ず園宮さんとの写真や、幼い頃に貰ったという手紙を置いていた。
「悠のところに、お見舞いに行ったと聞きました。その時、悠は本当に嬉しそうに話してましたよ」
"父さんが来てくれて、本当に嬉しかった。"
"新しい家族とは、今度こそ幸せになってほしい。"
その事を伝えると、園宮さんは少し驚いたように目を大きく開いて、頬を緩めた。
「そうかぁ……よかったよ」
嬉しそうに笑う顔は、悠によく似ていて、この人が悠の父親だと、再確認した。
「ありがとう」
「いえ、」
「悠をよろしくね。──雅斗くん」
全てを投げ捨ててもいいくらい、悠が大切。
悠さえいれば、皆失ってもいい。
狂ってるなんて、言われてしまうだろうか。それでも、元々こんな性格だったのだから。
ほしいものは、手にいれるまで諦められない質だから。
「ただいまー!!」
玄関の扉が開く音と共に、真樹ちゃんの声が、聞こえた。
「おかえり」
「ただいま」
悠はもう、家族の中に溶け込んだように感じた。
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