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雨の中から2
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「巧!店閉めといて」
「はーいお疲れ様でーす」
閉店の時間になり店の人たちが帰っていく。未だに振り続く雨。
こういう日は客が全然来ないから俺は雨が嫌い
みんな帰っちゃったし、さっさと店閉めて帰ろっと
鍵を持ってドアの方に行く。
シンとした店内には雨の音が響いていた
帰ったら何しよっかな…
そんなことを考えながら内側から鍵を閉めようとしたその時、
バンッ!!
と、いきなり外からドアに男が張り付いてきた
「うわっ!!!」
驚いた拍子によろけてそばにあったシャンプーやリンスの棚に突っ込む
派手な音を立てながら棚から落ちるシャンプー達
「いって…ッ」
男は力任せにドアを開け、店内にずぶ濡れのまま入ってきた
「お、お客様もう閉店の時間なので…」
男は肩で息をしながら俺の前に立ちはだかった
「あの…」
男が口を開く。
よほど寒いのか声が震えている
「あの…っ」
髪が濡れ、顔が隠れて表情が見えない
「僕を…」
「僕、を?」
「…っ、か、かっこよくしてくださいっ!!」
「!?」
ばっと顔を上げた男の目からは雨ではない…涙が滝のように流れていた。
顔をクシャクシャにして鼻をすする男
よく見たら制服を着ているから、たぶんまだ学生だろう
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