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篠ちゃんとお昼ご飯、二日目。
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今日は朝から昼休みの事しか考えてなくて、いつもは割と真面目に聞いてる授業も全然頭に入って来なかった。
今朝篠ちゃんにお弁当の中身を聞いたけど教えてもらえなくって気になってた、っていうのもある。
それに、昨日はちょっと……。
「えっ、もうお弁当作らなくていい?!」
「うん」
「修君、それってどういう事? もしかして彼女ができちゃったの?!」
「ううん、そうじゃないよ。でも、今度からお昼篠ちゃんと食べるから」
「そんなぁ…………」
今にも泣き出しそうな顔してた。
いっつもお昼作ってくれてた女の子達には酷い事しちゃったなぁ。
……まぁ、あの反応はちょっと大袈裟だと思うけど。
ごめんね、みんな。
午前の授業終了を告げるチャイムが鳴って、教室は一気に騒がしくなる。
でも、別に不快な物じゃなくて。
なんだか、不思議と心地良い騒がしさ。
俺はその中で、お弁当の中身を期待していた。
とててっと走って行って、篠ちゃんの腕を掴む。
どうやら机の片付けをしていたみたいだった。
「……深澤」
俺を見て、やっぱりな、みたいな顔をしたのは見間違い?
そのままぎゅうっとぶら下がってみる。
「深澤、ちょっと離してくれ。重たい」
「お昼食べよ、早く!」
篠ちゃんを急かして、昨日と同じ所へ行った。
ここ、あんまり人は来ないし、静かで落ち着くんだよね。
俺は別に騒がれるのとかが好きなわけじゃないから、よくここへ逃げて来てた。
まぁ、それがこんな風に役立つとは思いもしなかったわけだけど。
「ねぇ、今日のおかず何?」
「自分で確かめろ」
「だから何で教えてくれないの〜!」
「……食べる時に分かる」
「うぅ〜っ!」
何で教えてくれないの?!
もうお昼だし、教えてくれても良いじゃん!
篠ちゃんって、案外頑固なんだ……。
ちょっと拗ねてみせると、途端に篠ちゃんは困ったような顔をしてお弁当の包みを渡して来た。
「……ほら」
ん〜、多分今自分がどんな顔してるのかとか、分かってないんだろうなぁ。
無自覚って、可愛いよね。
「えへへぇ……いっただっきま〜す!」
「……いただきます」
俺が食べ始めるのを待っていたのか、俺がお箸を持つと篠ちゃんも食べ始めた。
今日のおかずも美味しそう〜!
ん?
何だろこれ。
何かかりかりした皮?みたいのに包んである。
あ、もしかして。
「わぁ、何これ春巻?」
「……みたいなもんだ」
やった、予想通り!
何か嬉しくなるよね、クイズに正解した時とか。
「ほんとに篠ちゃんは何でも出来るんだねぇ。……はむっ」
いい匂いがしてて、これ以上我慢できなさそうだったので、それを口に入れる。
んん、揚げ物だけどあっさりしてておいし…………っ?!
「……ふわっ?!」
「どうした?」
「何か酸っぱいの出てきたぁ……」
うぅ、酸っぱぁ。
口がぴりぴりする……。
手で口を押さえてみるけど、治まらない。
篠ちゃんが、あ、という顔をした。
「もしかして、酸味苦手か?」
「んん〜〜〜〜〜っ!」
「とりあえず、ほら。お茶飲め」
慌てたようにお茶を渡してくる。
あ、このお茶、ちょっと甘い。
ふわっとだけど。
「……ぷはぁっ」
「治まったか?」
「うん」
「悪い、事前に苦手なもん聞いときゃよかったな」
「ん〜、でも先っぽの方は平気だったよ。真ん中辺はちょっと……」
篠ちゃんがすっごいすまなそうな顔でこっちを見てくるから、何か悪い事したような気分になった。
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