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修の葛藤。 Ⅶ
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休み時間になるのをじりじりしながら待って、急いで琉已くんのとこに行った。
「ねぇっ、何で涼くんと学年違うの? 双子なんでしょ?」
「おわっ、こら!いきなり体当たりは無し! 痛ぇ!」
怒鳴られちゃった。
「あー……いや、そこまで怒ってねぇから。そんな落ち込まれると困るんだけど」
「ほんと?」
「ほんとだっつの。んで?俺と涼がどしたって?」
「えっと、何で涼くんと学年違うの?」
「誕生日の関係だな」
「???」
誕生日?
でも、双子だったら誕生日一緒でしょ?
どういうこと?
「えっとだな~…………っておい! 聞けよ!」
琉已くんが何か言いかけたところで、京が見えたからそっちに行く。
京なら、頭良いから分かるかも。
「けーいー!」
呼ぶと、くるっとこっちを向く。
今思い出したけど、そう言えば京とキスしちゃったんだ…………!
で、でも、今更逃げらんないし。
「京っ、ちょっとこっち来て!」
「い、いや俺は……」
何か言ってるけど気にしない。
「? 誰それ?」
「京」
「あぁ、柚実姉達の言ってた…………」
「ねぇ京、双子で学年が違うのって、何で?」
「誕生日が違うからだ」
「だから、それ何で?」
「…………双子でも産まれるのには時差がある。たまたまそれが日付の変わり目と重なると、双子でも誕生日が違う」
「そーゆーこと。俺は 4月1日午後12時58分生まれだけど、涼は4月2日午前1時32分生まれだから。学年変わんのが 4月2日からなんだよなぁ」
「ふぅん」
やっぱり京すごい。
いろんなこと知ってるし。
京の方を見ると、何だかちょっと難しい顔をしていた。
「京? どしたの?」
「?」
「何か嫌なことあった?」
「いや……?」
「どうかした?」
あれ、琉已くん気付いてないのかなぁ。
「ここ」
京の眉間。
「ぎゅってなってる」
「え?」
「そうなの? 俺には分かんねぇけど」
「京?」
「いや、別に…………」
ほんとかなぁ。
まぁ、京が良いんなら、いっか。
「修」
「ん~?」
「……時間」
「え? あ、準備してないっ!」
時計を見ると、本鈴ギリギリだった。
慌てて準備をしに戻る。
お願い、間に合って!
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