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[間奏] 京の逡巡。 Ⅵ
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修の鞄から鍵を探して、玄関を開ける。
修はまた眠ってしまったようで、俺の背中でくたっとしていた。
体が熱いから、どうやら熱が上がってきたらしい。
「お邪魔します」
一応、挨拶してから入る。
「修の部屋は…………」
とりあえず荷物を置いて、扉を開けては閉める、というのを繰り返す。
何度目かで、何やら巨大なぬいぐるみと甘味の写真集が置いてある部屋を見つけた。
多分ここだろう。
「んぅ…………」
修をベッドに寝かせると、寝苦しいのか身を捩る。
熱を測ると、38.8℃。
かなり高い。
汗をかいているし、着替えさせるべきか…………。
「修。着替えろ」
流石にそれはどうかと思ったので、申し訳なく思いながら修を起こす。
「んー…………け、い?」
「制服が皺になるぞ」
「しんどい…………」
「熱が高いからな。ほら、手伝うから着替えろ」
修の背中に腕を差し込み、もたれさせる。
適当にその辺に置いてあったスウェットを着せて、もう一度寝かせた。
「ふぅ……」
俺が手を抜くと息を吐く修。
俺に体重をかけまいとしていたらしい。
「修、ちゃんと休め。俺はそろそろ帰るか、ら…………」
「ふ、うぅ~っ…………」
何故か泣かれてしまった。
「……修?」
「ここ、いてっ…………!」
熱のせいか、幼くなっている。
「ひとり、やなのぉっ…………」
「いや、だが…………」
「ぅ……ひっ、ふに゛ゃああぁぁ~っ!」
本格的に泣き出してしまう。
可愛い。
「…………分かった、いるから」
「ふえぇ…………ほんと?」
……涙目で見上げてくるのを止めろ。
俺が自分を変態だと定義しなければならなくなるだろ!
「ああ。だから泣き止め」
「ん…………ひっく、ふぇ………………」
だが、もう時間が遅いから、ここにいるなら泊まるしかないだろう。
着替えを取ってくるか…………。
「修、少し一人でいられるか? 着替えを取ってくる」
「や…………」
「ちゃんと戻って来る」
涙を拭ってやると、こくんと小さく頷いた。
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