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心臓が持たない。
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「ん…………?」
目が覚めると、だるかった体が随分楽になってた。
熱も下がったっぽい。
「ぅ……」
「!」
いきなり、横からちっちゃい唸り声が聞こえてびっくりした。
横を見ると、布団に寄りかかって寝てる京。
そう言えば、京がいたんだった……。
時計を見ると、7時53分。
「うわぁっ?!」
学校に遅れる?!
目覚ましかけるの忘れてたんだ!
「京、京っ、起きて!」
「ん…………ぅ?」
「学校、遅刻しちゃう!」
京、朝弱いのかな?
一応起き上がったけど目の焦点合ってないよ?
……じゃなくて!
「京ってば!」
「……大丈夫だ」
「へっ?」
「昨日は金曜、び…………」
かくん。
また寝ちゃった。
「って、え?!」
慌てて携帯の時計を確認すると、
“Sat.”
ほんとだ……。
何で寝ぼけててもそういうことは分かるの?
朝ご飯をどうしようか考えてたら、京がぴく、と身じろいだ。
「ん…………」
「京、起きた?」
俺が起き上がってるせいで、京が俺を見上げる状態になってる。
ちっちゃく欠伸をしながら目をくしくしと擦ってるのが可愛い。
「おはよ、京」
「おはよう」
じ、と見上げて来る。
「?」
「風邪……?」
「あ、もう治ったみたい」
京がいきなり俺のほっぺを手で挟んで、こつん、とおでこをくっつけてきた。
近い近い近い近い近い近い近い近い~っ!
「ん、大丈夫みたいだな」
「んっ…………?」
つ、と京の長い指が俺の顎に触れる。
そのまま唇に、柔らかくて、でも少しかさかさしてる京の唇が当たった。
息、止まる……!
「っはぁ」
「ふ……」
二人分の吐息が、重なった。
顔が熱い。
「『風邪が治ったら』って言っていた」
「い、言ったけど!」
朝から心臓麻痺起こしそうだよ!
『風邪が治ったら、ちゃんと口にちゅうしてね?』
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