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時間は甘く溶ける。 Ⅵ
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「京」
「? …………っ」
何か京ばっかり余裕があるのがむかついて、だからこっちを振り向いた隙にキスをした。
触れるだけの、一瞬だけのキス。
勢いでやっちゃって、唇を離した後すごい恥ずかしくなって。
京の顔がまともに見られない。
そっと気付かれないように京の顔を窺うと、無表情で顔を真っ赤にしていた。
……ううん、ちょっとだけ口元緩んでる。
思わず京の顔をじっと見ていると、ばちっと目が合った。
「だ、だってだって何か京ばっかり余裕あってさ、俺だけ苦しいのむかつくから、だから……っ」
あぁ、俺何言ってんだろ。
こんなんじゃほんとに訳分かんないじゃん。
「京だって、たまには余裕なくして焦ったりしてみれば良いんだよっ…………っ?!」
ほら、また。
「んっ、んん……ふぁ、ゃっ…………!」
キスだって、京にされてばっかりだ。
「……っはぁ、修」
「…………」
「余裕があるなら、もう少し優しくしている」
「え?」
「余裕があれば、修がもう少し呼吸が楽なように気遣える…………多分」
「……何、それ」
じゃあ、京がキスばっかりするのは俺のせい?
「ふふ」
「何笑ってる」
「何でもな~い」
何か、嬉しいかも。
俺って、ほんと単純。
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