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銀と紅
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母さんは、いつの間にか俺の家の合い鍵も作っていたらしい。
「しばらく、監視させてもらうわ。お前が約束を違えることがないように」
俺の肩に小型のナイフを滑らせながら、母さんが言う。
「あぁ、久し振りだわ、この感覚。お前に紅い線を刻む感覚」
これは、昔から。
俺と関わった人間の数だけ、俺の肩には傷がある。
最初は、弟。
次が、父さん。
それから、母さん。
他にも、沢山。
「っ」
冷たい刃物が皮膚を裂き、筋肉の中へと潜り込む。
つ、と血が床へ伝う。
冷たいのか熱いのかももう、はっきりしない。
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