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「自分」を殺して。 Ⅲ
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窓から入る光で、目が覚めた。
「………………はぁ…………」
祈紅といた頃の夢を見ていたせいか、気分が重苦しい。
今日は金曜日。
学校に行かなければならないんだが…………修と顔を合わせるのは、何というか。
あの後、どうしたのだろうか。
泣かせたり、していないといいが。
そんなことをふと思って、原因は自分だと自嘲した。
教室に入ろうと戸に手を掛ける。
その時、丁度戸が開いて、中から出てきた誰かとぶつかった。
「って……」
「~~~!」
俺はどうもしなかった。
ぶつかった時は。
そのはずみに戸で足の小指を思い切りぶつけただけだ。
痛い。
刃物で身を削られるのとはまた違った痛さだな。
「あ、噂をすればの篠束」
「噂?」
俺とぶつかったのは、白宮だったらしい。
「篠束さ、深澤と別れた?」
「………………ああ」
「だろーな。深澤、ほっぺぷっくーってさせてご機嫌斜めだぞ」
白宮に言われるまま教室に入ると、机に頬杖をついて頬をこれでもかというほど膨らませ、脚をぶらぶらと揺すっている修。
………………小動物。
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