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痛かったと思います
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先輩は体には数えられないくらい傷があった。
見るだけでもその時の怖さは伝わってくる。けど本当は、その予想より何倍も何十倍も怖くて、痛くて、辛かったんだと思う。
すぐ治るから 大丈夫とか
そんなわけないのに先輩は笑顔でいう。
「泣いてもいいんですよ?」
「え?」
「すいません…
俺があの時先輩を探してなかったから、
電話を掛け直してたら、
先輩と喧嘩してなきゃ
こうなることなんて
絶対無かったのに」
先輩を優しく抱き締めてそう言った。
なんか 俺 泣いてるな…
「痛かったですよね…?」
「っ……」
「辛かったですよね…?」
「ふ、ぅ…」
「怖かったですよね?
嫌だったですよね?」
先輩を 抱き締めながら言った。
途中で先輩は 自分の目から涙が出てるのに気づいた。
「っこわ、…た」
「え?」
「怖かっ、た…嫌だった。痛いし辛いし、佐藤くんとは喧嘩するし、
どうしたら いいかわかんねぇし、」
泣きながら 先輩は言った。
怖かったんだろう。
辛かったんだろう。
嫌で嫌で、痛かったんだろう。
なのに俺は 他の奴と一緒にいるとか 怒鳴って
先輩を傷つけた。
謝っても 謝りきれない。
「すいません…先輩
俺が…っ!!俺が…」
「気にすんなよ」
先輩は笑いかけてくれたが
俺は自分を許すことなんてできるわけもなかった。
「じゃ、じゃぁキスしてくれたら、許す、けど?」
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