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ずっと好きだった。
高校一年のときに出会ってから5年間、片思いをしていた。
竹垣京介はぼんやりと真っ青な空を眺めた。
「寒っ」
冷たい北風が吹き抜けて、身震いする。
-結婚するんだ。
つい先ほど告げられた言葉をまた思い出し、じわりと瞼が熱くなる。
こうなる未来を京介は確信していた。
だから、驚くというよりはやっとかと納得している。
親友で、片思いをしていた高良健吾は華やかな顔立ちと180センチ近い長身で、女にモテていた。
高一の時にはすでに三年の女子と付き合っていたし、途切れることはなかった。
男しか愛せない京介とは違い、無類の女好き。
男友達としては、一番近くにいたと思う。
だが、それ以上の関係にはなれなかった。
高校からエスカレート式で同じ大学に進み、学科は違っても関係は高校のときと変わらない。
変わったといえば、健吾が本気の恋愛をしたこと。
健吾と同じ学科で仲良くなり、付き合うまで時間はかからなかった。
ー向坂朱実ってゆうんだ。
ーよろしく。
そう言って彼女はニッコリと笑んだ。
柔らかい笑みで微笑む朱実は、大きな瞳に長いまつげ、身体の線も細く可憐な女性だ。
健吾が選んだのは、京介とは真逆のタイプだったー。
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