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怒り
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神社前。
暁は辺りを見回したが、それらしい人どころか周りに人はいなかった。
「さすがに、ここにはいないかな…」
神社の前にそびえ立つ鳥居を見上げ、その奥にある神社を見つめる。
すると、神社の横で何か影のようなものが動いたのが見えた。
「お姉ちゃん…?いるの…?」
暁は恐る恐る鳥居をくぐって行った。
奥の方はだいぶ暗く、神社の周りには木が立っていた。
「見間違いだったのかな…」
諦めて戻ろうとすると、ガサッと草の音がした。
「ひっ!だ、誰ですか!?」
それはザクザクと足音を立ててこちらに近づいてきた。
暁は恐怖に駈られ、その場から逃げようとしたが、浴衣のせいで思うように走れずに転んだ。
ザクザクザクザク。
足音は暁のすぐ後ろで止まった。
暁は後ろを見るのを恐れ、ぎゅっと目を瞑った。
「…おい」
ようやく声をかけてきたそれは、久しぶりに聞く低い声だった。
暁は目を開き、そっと後ろを見た。
そこには、私服姿で自分を見下ろす西城が立っていた。
「さ、西城君…?」
「…お前、こんなところで何してる」
倒れている暁に手を差しのべることはせず、見下ろしたまま西城は聞いてきた。
暁は立ち上がり、浴衣に付いた汚れを払い落とした。
「お姉ちゃんと一緒にお祭りに来たんだけどはぐれちゃって…それで、奥の方で影が動いたのがのが見えたからお姉ちゃんかと思って入ったんだけど、西城君だったんだね」
「…人混みの多い所は苦手だからな」
「みたいだね。それで帰る時間までここにいるの?」
「………?」
西城は、何故知っている、とでも言いたそうな顔をした。
すると、突然暁の携帯が鳴り始めた。
「も、もしもし?」
『俺です、東野です!眼鏡ちゃん!白い生地に赤い金魚でピンクの帯を巻いたすっげー美人な女性を見つけたんすけど、もしかしてこの人がお姉さん!?』
「多分、そうかも…」
『一応、電話を代わりますね!』
しばしの間が空き、電話の向こうから葉月の声が聞こえた。
『もしもし、暁?』
「お姉ちゃん!」
『あぁ、良かったぁ。変なやつに捕まってないか凄く心配してたのよ。今、どこにいるの?周りに人はいる?』
「神社で同じクラスの人と一緒にいるよ」
『そう、神社は近いしクラスの人が一緒なら大丈夫そうね。迎えに行こうか?』
「ううん、いいよ。そっちは人混みが凄いからこっちまで来るの大変でしょ。僕が向かうよ」
『分かった。じゃあ、神社に近いお面屋さんの前に集合ね。そのクラスの人と話したりする?』
「わ、わかんない…」
『まぁせっかく会ったんだし、ゆっくりしてけば?じゃまた後で』
プツッと電話が切れた。
西城はそのやり取りをずっと見ていた。
「…今の、誰?」
「最初に出たのは東野君で、次はお姉ちゃん。東野君にお姉ちゃんを探すの手伝ってもらったんだ~」
その言葉を聞いた西城は、珍しく怪訝な顔をした。
「…何で?」
「何でって、たまたま東野君と会って…」
「…違う。何で茂忠を知っている。連絡先まで」
西城は、心なしか早口で質問をしてきた。
声も少し怒りの色が見える、気がした。
「さ、西城君?どうしたの?」
「…俺の質問に答えろ」
「え、えっと、東野君とは寮で会って…」
暁はこれまでの経緯を簡単に説明した。
説明し終えると同時に、近くで花火が打ち上げられ周りが明るくなった。
明るくなった瞬間に暁は見てしまった。
怒りに満ちた西城の顔を。
「西城君…顔がものすごく怖いよ…?」
「………」
暫く黙っていた西城だったが、はぁ、と呆れたようなため息をついた。
「…お前、いいのか?こんな人気の無いところで俺と一緒にいてさ」
「え…?ーーうわっ!」
西城は暁の手を引っ張り、木々の奥の方まで連れ込んだ。
どんっと突き飛ばされ、太い木に背中をぶつけた。
しゅるっと浴衣の帯を外し、暁の腕を後ろ手に木に縛りつけた。
「…忘れたのか?俺は、お前を「いじめ」るやつなんだぞ」
西城は暁の浴衣の中に手を入れ、肌を撫でまわしたり胸の飾りを摘まんだりした。
「んっ!あ、やだっ!西城君、やめてぇ!」
「止めない、これは「いじめ」だから」
初めて見せる怒りの表情のまま、西城は暁の下着を一気に下ろした。
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