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☆新学期
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蓮と別れて約2ヶ月…。
俺は毎日を淡々と過ごしていた。
夏休みの宿題をやったり、和也や姉ちゃんと出かけたり、時々 親に会ったり…
蓮を時々、ふと…思い出したり…
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そんな毎日を過ごしていると、夏休みも終わり、新学期になっていた。
残暑が残っていて、まだまだ暑く、ジワジワと汗をかき、教室でも下じきをうちわがわりにパタパタとあおいでいる人が多い。
新学期…。俺は…あれから蓮と1度も会っていない。
クラスも違うし、用がなければ確かに会うこともないよな…。
どうしてるんだろう…。なんて、俺が心配するなんて、おこがましいよな…。
そんなことを考えて、ぼーっとしていると
「あーきっ!!ぼーっとしてんぞ!また熱中症かぁ!?」
という声が聞こえた。
「………はっ!?あっ、和也!おはよう」
椅子に座っている俺を覗き込むようにして和也が声をかけた。
じーっ…と心配するように見つめてくる和也が、なんだか子犬のようで思わずくすりと笑う。
そんな俺を見ると、照れたようにニコッと和也が笑う。
その笑顔に、思わず胸がきゅーん…とする。
それを隠すかのように、慌てて「熱中症じゃないよ!大丈夫!」と声を上げた。
「ほんとかぁ…?……ならいいけど、これから始業式あるし、つらくなったら言えよ!」
と和也が言って頭を撫でた。
「うん、分かった、ありがとう…。………でも、教室で頭撫でるのやめろ!」
和也の手をバッとどけて俺が顔を赤くして「まったくぅ…!」と怒ると、和也は、にやぁ…と笑みを浮かべながら小声でこっそり
「…教室じゃなきゃいーんだ……?」
といじわるく耳元で言った。
全身に熱がこもるように、かーーーっと赤くなるのが自分でも分かった。
それを見て
「明 まっかっかー!」とニタニタと笑う和也に
「たっ、ただ教室が暑いからだー!」と無意味な言い訳をした。
そんな俺を見て満足したのか、和也は「じゃあ、また後でな!」と言って自分の席に戻っていった。
………こんな平穏な毎日が、とても愛おしく感じる…。
夏休み中に俺は和也に蓮の家に行ったことを正直に話した。
少し不安そうな顔をして聞いていたが、話し終わると俺を抱きしめて「話してくれてありがとう…。俺は大丈夫…。俺は、明が好きだから…」と受け止めてくれた。
そんな和也の気持ちに俺は涙が出た。なんて広い心なんだろう…って。和也の気持ちに精一杯 応えなきゃ…って強く思った。
これから新学期…俺も…強くならなきゃ…。
そう思いながら青い空を眺めていた。
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そうしていると、担任が入ってきて
「おはよう〜、皆久しぶりだな。
これか始業式が始まるから体育館に移動しろよ〜」
と声をかける。
その声に皆は次々と体育館に移動していった。
「ほら!金井も行こうぜ!」
他のクラスメイトに声をかけられ、「うん!」と返事をした俺も体育館に移動した。
移動している途中に、そのクラスメイトが
「金井、知ってる??なんか転校生が来るらしいぜ」
と言っていた。
「へー、転校生!どんな人だろーなー」
そんなことを話しながら体育館に向かった。
この時、俺はまだ知らなかった。
これから、起きる波乱の幕開けを――――…。
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