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☆現実
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ヴーヴーヴー
携帯のバイブ音でハッと気がつく。
キョロキョロと辺りを見回せば、さっきの殺風景ない公園だった。
………夢…か……。
俺いつの間にか寝ちゃってたんだな。
一気に体温が下がっていくように感じた。ポカポカしていた心が冷えきっていく。
それにしても…随分…懐かしい夢を見たなぁ……。
俺と蓮が出会った日の夢……凄い…暖かかった……夢でも良かったから…あの日に戻りたい…。
あの日に戻れれば…蓮を好きにならなければ、こんな辛い思いをしなくても…
……考えるはよそう……。そんなこと考えたって仕方がない。
どんなに あの日に戻ったって、結局 俺はきっと蓮が好きになってた。
ふぅ……とため息をつく。少し冷静になってきた。
…俺たちが付き合い始めたきっかけは蓮からだった。
蓮がある暑い夏の日に「俺と付き合ってほしい」って言ってきたんだ。
あの時 俺は嬉しくて…嬉しくて…泣きながら蓮に抱きつき「うん…!俺は蓮が好きだ!」って言ったんだ。
あの時の蓮の肩が少し震えていて…蓮も泣いてるように見えて…すごく愛おしかった。
でも、あの時から蓮は俺に「好きだ」って言ったことがなかった、ただの一度もだ……
俺は…蓮にとって何なんだろう……。
ヴーヴーヴー
そんなことを考えてたら また携帯のバイブがなる。
少しびっくりした。
携帯の画面を見ると蓮からの着信…!!
履歴を見ると30件くらいきていた
やばっ…!!うたた寝したり考え事したりで すっかり時間を忘れてた…!!
今は……7時……!?
外に出て軽く3時間はたっていた。
……浮気相手は…帰っていったよね…?
付き合いはじめた日から俺は蓮のアパートで暮らしている。
元々一人暮しだったし、蓮が俺一人は心配とか言ってて、なによりも俺が2人でいたかったら…蓮のアパートに住むことにしたんだ。
アパートでも綺麗で部屋も広かった。
でも、あのアパートは もう「2人の」アパートでは無くなってしまった…。
でも、俺は帰らなくてはいけない。いや、蓮の元へ帰りたい。
浮気されても、愛想つかされても……
俺にはあのアパートが俺の居場所なんだ。
「よいしょっ……」
重い腰をベンチからあげて携帯とカバンを持ち公園を出た。
……少しの間は、この公園にお世話になるな……
そんなことを思いながらアパートへと足を運んだ。
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