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☆ただいま
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少し急ぎ足でアパートへ戻る。
あ、そういえば晩ご飯も作ってないし…洗濯物もたたんでない………!
早く帰らないと…!
気づけば俺は走っていた。
アパートのドアの前まで来て すー…はー…と深呼吸…。
よしっ…!気合いを入れてガチャっと鍵を回してドアを開けた。
「たっ……ただいまぁ……」
ひょっとドアから顔を出して玄関に入る。そのまま靴を脱いでキョロキョロと見回した。
………蓮の姿が見えない……
まさか……浮気相手のとこに…?
俺が…早く帰ってこなかったから…?
電話に…出なかったから……?
心臓がドクドクとなる。
どうしよう……どうしようどうしようどうしよう……
涙がでそうになった……
蓮……どこ……………
息苦しいよ……蓮……!!!
すると、
ガラガラガラガラ……と
お風呂場のドアが開く音。
「あれっ、明?」
その後すぐに背後から声が聞こえた。俺の…大好きな…声……
振り返ると そこにはシャワーを浴びて髪が濡れている蓮がいた。
よかった…………蓮……いたぁ……。
「明 携帯でないし、帰ってこないし……
どこ行ってたんだよ~~」
蓮……蓮………
「……明…?」
蓮が、俺の前にいる。それだけでこんなにも嬉しい。愛おしい。
俺は蓮に抱きついて何回も蓮の名前を呼んだ。……蓮がここにいることを確かめるように。
「明……どうしたんだ…?」
心配そうな声で そう言いながら蓮は俺を強く抱きしめ返す。
………このまま蓮に浮気のことを聞いてしまおうかと思った。
でも怖くて聞けなかった。
この温もりを今はどうしても手放したくなかった。
蓮がシャワーを浴びていた理由は、ここで…アパートで起きたことを残酷に物語っていた。
キッチンには、俺が作ったんじゃない料理があった。きっと浮気相手が作ったものだろう……。
………その料理は半分以上 残してあるけど。
浮気をしている蓮。
そんな蓮でも手放せない俺。俺は蓮を愛してやまない。
そのまま抱きしめられながらチラっとみたカレンダーを見て思った。
あぁ………
明日は俺と蓮が付き合って1年の記念日になるんだ……。
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