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☆嫌な場所②
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「―――っき…!あ………き!明!!」
名前を呼ばれてハッとする。
目の前には俺の肩を揺さぶりながら心配そうに顔を覗き込む和也がいた。
「あ、和也……」
俺…ボーッとしてたのか……。
「明、どうかしたのか…?
ボーッとしちゃって…具合悪いのか…?」
優しく声をかけてくれる和也。
「いや……大丈夫。何でもない…」
首を横にふりながら笑顔をつくる。
………少し動揺してたな…。あのときの悪夢がブワッと襲ってくる気がして……
正直言って、まだ あの出来事を100%忘れられないでいる
やっぱり、少し……怖くて……
でも、そのことは誰にも言わなかった。いや、言えなかった…。
拒絶されたらどうしよう…って……
でも、いつまでもクヨクヨしていちゃいけないんだ。トラウマを克服してみせる……
和也を見ると、まだ心配そうにオロオロしていた。
そんな様子に笑みがこぼれる。
俺は和也に「入ろう。」と声をかけて空き教室のドアに手をかけてガラっと開けた。
――少し…埃っぽい…。あの時と同じだ…。空き教室は、薄暗くてしんみりしてて……
今は夏だからジワジワと暑苦しい……
スタスタと歩いて空き教室の真ん中であろう所に歩いていって深呼吸した。
そんな俺に和也が訳がわからなくてキョトンとしてた。
その顔が間抜けで……思わず声に出して笑った。
「くっくっ……あははははは!」
「なっ、なんだよ急に―!
明 頭おかしくなったかぁ??」
よかった……思っていたよりも普通にいれそうだ……
そう思って床に視線を落とした時、あるものが目に入る
それを見た瞬間、息をするのを忘れてしまうように感じた
俺が見たものは…………
誰かのシャツのボタンだった………
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