アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
☆なんだか変
-
あのあと2人で もぐもぐとパンを食べてたわいもない話をした。
流石に、和也の膝からは降りた。
和也は残念そうに「別にいーのにー」とか言ってたけど流石に…恥ずかしいじゃん。
でも、なんだか和也との友情の絆?みたいなのがグッと深まった気がして嬉しくなった。
話をしている中…、
時々、チラっと和也を盗み見ると とても優しい目をして俺を見ていた。
その目に なんだか胸がドキッとした。
その目を見てられなくてぱっと目をそらす。………なんて目で見てるんだろ……
なんで………そんな優しい目をしてるの……?
この時は、まだ知らなかった。和也の気持ちも。俺自身の気持ちも……
------------------------------------------------
それから俺たちは次の授業にはちゃんと出て、HRの後それぞれ帰った。
俺も学校からまっすぐアパートに帰った。
なんだか体が軽くなったような気がする。…和也のおかげかなぁ……
ありがとう。と心の中で呟きながら足をアパートに進める。
しかしアパートへ一歩一歩近づくにつれ、罪悪感を覚えた……
トラウマを目の前に気が動転したとはいえ、蓮じゃない人に抱きつくなんて……
そんな思いがグルグルと渦まいてズキンと胸が痛んだ。
…………俺…蓮に ちゃんと接せるかな……
そんなことを思っていると、もうアパートは目の前だった。
…………うぅ……まだ、考えたい……
あ、そういえば近くに公園があったよな。
蓮が浮気してた時に逃げに行った、あの殺風景な公園……
あそこなら、1人でじっくり考えられるかも………そう思い、公園に向かおうとしたが
「あれ?明?どうしたんだ?そんなとこにつったって。」
と、後ろから声が聞こえた。
あぁ………俺の大好きな声だ……。
でもどうして…このタイミングで……。
後ろを振り向けば、キョトンとした顔をした蓮がいた。
「……ん、ちょっとぼーっとしてた。
おかえり蓮。」
俺は平然を装い、蓮に話しかける。
「危ないから道路でぼーっとすんなよ~?w
ただいま、明……」
そう言うと蓮はニコっと笑い、俺の手を繋いできた。
「ちょっ、ちょっと蓮!?」
俺が驚いた声を出して蓮と手を交互に見るが
「んー??」
当の蓮は鼻歌なんて歌いながら俺の手を引いてアパートの階段を駆け上がる。
蓮が手をつないできてくれるのは、とても嬉しくて少し恥ずかしくて……
一気に顔が赤くなる。
でも…蓮……人前ではイチャイチャしたりしないのに……どうしたんだろ……
不思議に思っていると蓮がいきなりピタッと止まり、俺に背を向けたまま
「ねぇ、明」と蓮が聞いてきた。
「なーに?」と俺が聞き返すと
「お………の…と……き?」と言った。
蓮が言ったと同時に飛行機が飛んでいて蓮の声がかき消されてしまった。
「え??なんて言ったのー??」
と俺が言うと蓮はまゆ毛を はの字にして寂しそうにふっと笑い、
「んやー…なんでもない……」と言った。
俺は意味がわからなくて頭に?を浮かべていた。
今思えば……これがきっかけで、幸せな日は崩れていく前兆だったのかもしれない……
………蓮が不安だ。寂しい。と背中で訴えていたのを俺は知らずにいたんだ……。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
40 / 129